赤津焼伝統工芸士 東窯 春草(中島満久)

 猿投山麓赤津の陶芸は加藤四郎左ヱ門景
正を以て始祖とし実に七百有余年の歴史を
有して居ります。
 遠く鎌倉時代からの民窯による豪気勇大
な作風が基盤をなして居りますが其の間時
代と共にしばしば固定沈滞に陥りました。
而しながら其の都度に於いて傑出せる名工
が清新涸溂気魄を示して来ました。
 これ一つに胎土及び釉薬産出の関係並に
正しき手法の相伝に由ると思います。特に
織部風のものに至りましては其の特色を発
揮し赤津を中心としまして他の追随を許さ
ざるものがあります。
 此の様な伝統の地に生を受け自然の大恵
に守られて少なくとも私、受け継ぐ者の心
として輝しい先人の遺業に勝るとも劣らな
い心構でより身近な陶芸本然の姿顕現のた
め黙々として伝統の織部、黄瀬戸、志野、
鉄釉、古瀬戸、灰釉、御深井等守り続ける
と共に新しい境地を求めて自らの鈍才に鞭
を打って居ります。

 昭和六十二年通商産業大臣指定伝統的工
芸品赤津焼の伝統的技術を保持していると
認められ伝統工芸士の称号を賜わる。

平成2年10月愛知県知事より優秀技術者賞 受賞
平成7年10月中部通商産業局長より優秀技術者賞 受賞
平成10年10月愛知県知事より伝統工芸品産業功労賞 受賞

赤津焼伝統工芸士
東窯 春草
中島満久

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